企業法・授業まとめ-第11回-

2.就業規則(入社後のルールとして、就業の条件)

「採用」のプロセスを越え、次にやってくるのが「就業規則」。

これは主に入社後のルール。
そこで働き続ける限り、必ず従わなければいけない。
(会社が決めた「会社の憲法」のようなもの。労働者に守らせるルール。)

⇩何を規定しなければいけないかは、法律で定められている。

労働基準法89条(作成及び届出の義務)
「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
① 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
② 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」…以下10号まで規定。

⇒就業規則を会社が決めることで、労働者は最低限の保障がされる。
上記について定めることで、
「●時から●時までは会社の業務をするのが労働契約」と分かる。

言い換えれば、その時間は会社の命令に従わなければいけないということ。
労働力を売る、お金をもらう、というところで捉えると、

労働基準法92条(法令及び労働協約との関係)
「1 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。
2 行政官庁は、法令又は労働協約に牴触する就業規則の変更を命ずることができる。」
労働基準法93条(労働契約との関係)
「労働契約と就業規則との関係については、労働契約法 (平成19年法律第128号)第12条 の定めるところによる。」
労働契約法12条(就業規則違反の労働契約)
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」

※優先順位は、労働協約>就業規則>(就業規則より不利な)労働契約
→就業規則で定めれば、
全従業員から個別に同意を取らなくても就業条件を変更可能(ただし限界有り)。
⇒会社のルールを変えたいときなどに便利。就業規則上で変更すれば、一律で全従業員に適用されるため。
その限界については様々な事例・判決があり、そこで具体的に決まっていく。

※個別に何を定めていくのか?(労働基準法89条各号に規定する事項)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA