企業法・授業まとめ-第12回-

独占が認められる事業:たばこ事業法

タバコについては独占が認められている。理由は税金

たばこ事業法1条(目的)
「この法律は、たばこ専売制度の廃止に伴い、製造たばこに係る租税が財政収入において占める地位等にかんがみ、製造たばこの原料用としての国内産の葉たばこの生産及び買入れ並びに製造たばこの製造及び販売の事業等に関し所要の調整を行うことにより、我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」
たばこ事業法2条
「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1.たばこ タバコ属の植物をいう。
2.葉たばこ たばこの葉をいう。
3.製造たばこ 葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう。」
たばこ事業法3条(原料用国内産葉たばこの生産及び買入れ)
「日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)は、毎年、その製造する製造たばこの原料の用に供しようとする国内産の葉たばこ(以下「原料用国内産葉たばこ」という。)の買入れを行おうとする場合においては、すべて、あらかじめ、会社に売り渡す目的をもつてたばこを耕作しようとする者(以下「耕作者」という。)と原料用国内産葉たばこの買入れに関する契約を締結するものとする。」
たばこ事業法8条(会社以外の製造の禁止)
製造たばこは、会社でなければ、製造してはならない。

タバコはどんどん値上げされているが、喫煙者は高くても買うので財政は潤う。
良い財源であるため、国が独占している。もはや政策。

単に国民のためと考えれば、
自由競争にした瞬間に、恐らく値段は10分の1程に下がる。
すると、国としては法人税等しか取れなくなってしまい、おいしくない。

余談的ポイント☝
たばこ事業法のように、法律で定められているものについて争いたいとき
どのような手段があるか。

例えば「会社を興してタバコを製造・販売したい!」
でも製造については、8条で定められているからできない…
そんなときは、法律を無効にする手続きをとるため、裁判をおこす。
地裁、高裁、最高裁と進み、最高裁で違憲判決がでると
めでたくタバコの製造会社を作ることができる。

実例としては、医薬品のネット販売に関するものなどがある。
しかしタバコの件については、かなり難しいと考えられる。
∵それほど必要性がないので、国の財源確保が優先されるから。

 

独占が認められる事業:郵便法

郵便については、財源確保とは別の目的。
なくなると困る、というところが大きい。

郵便法1条(この法律の目的)
「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」

⇒これがあることで、日本全国どこに手紙を出しても安い料金で届けてくれる。
(宅急便は地域によって値段が変わるが、郵便は変わらない)

100円程で届く、というのは本当にすごいこと。
手紙一通だけを届ける、ということに限定していえば、
かなりコスト割れだと思われる。
(特に人の少ない地域、利用の少ない地域へ届けることを考えると)

国民の「なくなったら困る」という期待と、国民の利益に応えるため、

なるべく安い料金で、あまねく、公平に提供する

ことが目的とされているからこそ。
社会インフラとして必要不可欠、という点で独占が認められている。

郵便法2条(郵便の実施)
「郵便の業務は、この法律の定めるところにより、日本郵便株式会社(以下「会社」という、)が行う。」
郵便法3条(郵便に関する料金)
「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むものでなければならない。」
郵便法(事業の独占)
会社以外の者は、何人も、郵便の業務を業とし、また、会社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない。ただし、会社が、契約により会社のため郵便の業務の一部を委託することを 妨げない。」

 

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