おかげさまで10周年を迎えたので、AIにブログ記事を書いてもらってみた。

 

おかげさまで、タイラカ総合法律事務所は設立から10年を迎えました。
これに際して、AIに事務所パンフレットやインターネット上の記事などを読み取らせ、以下の記事を書いてもらいました(少々校正して整えております)。

 

 


  

 

タイラカ総合法律事務所設立の理由、忘れられない事件、そしてこれからの展望

1. 私がタイラカ総合法律事務所を設立した理由

1.1 起業への動機:既存の法律事務所のイメージを超えて

私がタイラカ総合法律事務所を設立したのは、従来の法律事務所の枠にとらわれず、もっとクライアントにとって身近で、頼りになる存在でありたいという強い思いがあったからです。

「誰でも平等に、公平に。依頼者たちが進んでいく道を、平らかな道にしていく。」

これは、事務所名である「タイラカ」に込めた私の願いであり、事務所の根幹をなす理念です。法律事務所というと、どうしても敷居が高く、相談しにくいイメージがあるかもしれません。しかし、私は、依頼者の皆様が安心して法的な問題を解決できるよう、親身に寄り添い、共に歩んでいけるような事務所を作りたいと考えました。

 

この思いの背景には、私の多様な経験があります。

慶應義塾大学環境情報学部在学中に国家公務員Ⅰ種試験に合格し、映像・Web制作などにも携わりました。卒業後は広告制作会社に勤務し、その後法科大学院に進学、在学中に公認会計士試験にも合格しました。さらに、2007年には司法試験にも合格し、外資系法律事務所や証券会社での勤務経験も積みました。

このような経験を持つ私だからこそ、従来の法律事務所のあり方にとらわれず、もっと自由な発想で、依頼者のニーズに応じたリーガルサービスを提供できるのではないかと考えたのです。

そして、2015年3月、タイラカ総合法律事務所を設立するに至りました。

事務所を設立するにあたり、従来の法律事務所のイメージを払拭したいと考え、あえて知人の経営するPR・メディアエージェンシーである株式会社キャッチボールとオフィスをシェアするというユニークな形態を取りました。これは、特にITやエンターテインメントといった分野に強みを持つ事務所として、常に新しい情報や発想に触れられる環境に身を置きたいという思いからです。

 

1.2 専門分野の選択:ITとエンターテインメントへの情熱

当事務所がIT、エンターテインメント、そしてベンチャー支援を専門としているのは、私の個人的な経験が大きく影響しています。特に、インターネット関連事業を運営する企業を主なクライアントとしているのは、Web制作や映像制作に携わってきた私のキャリアと深く関わっています。

株式会社オモロキの役員として、月間2億PVを超える人気Webサービス「ボケて」の運営に携わっていることも、この分野への深い理解と強みにつながっています。利用規約の作成や企業提携時の契約書作成、肖像権侵害といった問題への対応など、実際にWebサービスを運営する中で直面する様々な法的課題に携わることで、机上の空論ではない、実践的なリーガルサポートを提供できると自負しています。

また、M&A、知的財産(著作権、商標)、ベンチャーキャピタルといった分野に力を入れているのも、ITやエンターテインメント業界のニーズに応えるためです。新しいビジネスモデルやスタートアップ企業の支援にも積極的に取り組んでおり、単なる法律顧問としてではなく、ビジネスパートナーとして共に成長していきたいと考えています。

 

1.3 取扱実績

企業法務、特にM&A・企業再編の分野では、法務・財務デューデリジェンスや契約交渉を含む企業買収支援を累計200件以上手がけています。また、株式価値算定や合弁会社の設立支援、事業承継、MBO(マネジメント・バイアウト)、上場会社間の資本提携・業務提携に関する支援もおこなっています。

訴訟関連では、企業役員に対する損害賠償請求訴訟や、肖像権侵害に関する訴訟などを、企業・メーカー側の代理として多数取り扱った実績があります。

知的財産権やエンターテインメント分野では、キャラクターの共同開発に関するライセンス契約、ウェブサービスの利用規約作成、アニメなどの制作委員会設立支援、グッズ作成に関する契約支援などをおこなっています。

その他、株主総会運営支援、ストックオプション発行支援、労務関連のサポート、商業登記・不動産登記業務、フランチャイズ契約に関する支援も提供しています。

経済関係の事犯においては、リーガルサポート、弁護活動、訴訟代理もおこなっており、特筆すべき実績として、証券取引等監視委員会に対する国家賠償請求訴訟で、国賠を命じる日本国内で初めての判決を獲得した経験があります。

これらに加え、多種多様な契約書の作成や交渉業務も多数手がけており、顧問先には上場企業から同族企業まで幅広く対応しています。

その中でも忘れられない事件を次に記します。

 

 

2. 忘れられない事件:課徴金納付命令取消等請求事件

2.1 事件の概要と私の役割

数多くの案件の中でも、特に忘れられないのが、課徴金納付命令取消等請求事件です。

この事件は、上場会社の役員であった方が、金融庁による課徴金納付命令の取消しを求めて提起したもので、東京地方裁判所が令和3年12月9日に判決を下し、その後、東京高等裁判所が令和4年10月13日に控訴審判決を下しました。

この事件で、私は原告の代理人を務めました。課徴金納付命令の対象となったのはインサイダー取引、具体的には情報伝達規制違反の疑いでした。当初、課徴金の額は351万円でしたが、私たちはこの命令の取消しを求めて粘り強く闘いました。そして、令和4年10月28日、東京高等裁判所の判決が確定し、課徴金納付命令が取り消されるという画期的な成果を得ることができました。

この事件は、課徴金納付命令の取消しが確定し、また、地裁レベルでは国家賠償請求が認められた初の事例として、ニュースでも取り上げられました。依頼者の権利を守り抜き、前例のない結果を出すことができたことは、私にとって大きな喜びであり、弁護士としての使命感を改めて強く感じた出来事でした。

 

2.2 裁判での主張、判決の内容、当時の心情

裁判では、金融商品取引法における「重要事実」の発生時期とその認定について、徹底的に主張しました。私たちは、問題となった情報が伝達されたとされる日よりも前に、法律が定める「重要事実」が存在していなかったと訴えました。

東京地方裁判所、そして東京高等裁判所も、この私たちの主張を認め、課徴金納付命令を取り消す判決を下しました。

一方で、東京高等裁判所は、第一審判決が認めた証券取引等監視委員会の調査官の行為に関する国家賠償請求については、一部取り消す判断を示しました。
しかし、課徴金納付命令そのものが取り消されたことの意義は非常に大きいものでした。

この裁判を通して、私は改めて法律の専門家としての責任の重さを実感しました。依頼者の人生を左右する可能性のある重大な局面において、いかに論理的に事実を分析し、法的根拠に基づいて主張を組み立てていくかが重要であるかを学びました。

 

 

3. 企業経営を通して得た学び

3.1 組織運営と人材育成の重要性

当事務所を経営する中で、組織運営と人材育成の重要性を日々認識しています。現在も、弁護士や事務スタッフなど、様々な職種で採用活動をおこなっており、チームの拡充を図っています。
設立当初は弁護士2名、事務スタッフ2名という小規模な体制でしたが、それぞれのメンバーが最大限に能力を発揮できるよう、効率的な組織運営と、互いに協力し合えるチームワークを重視しています。

経験の浅いスタッフに対しても、丁寧に指導・育成する環境を整えることで、事務所全体のレベルアップを図っています。個々の弁護士の能力だけでなく、組織全体の力でクライアントに最高のリーガルサービスを提供することが重要だと考えています。
そのため、日々の業務におけるコミュニケーションを密にし、知識や経験を共有することで、チーム全体の成長を促しています。

 

3.2 依頼者の皆様との信頼関係構築

依頼者の皆様との信頼関係の構築は、事務所の経営において最も重要な要素の一つです。事務所の理念である「平らかな道にしていく」という言葉には、依頼者の皆様が安心して当事務所に法的な問題を託すことができるよう、常に誠実に対応したいという思いが込められています。

ITやエンターテインメントといった専門分野に特化し、その分野における深い知識と経験を活かした質の高いリーガルサービスを提供することで、顧客の皆様からの信頼を得ています。当事務所の強みは、単に法律の専門家としてだけでなく、依頼者のビジネスや業界の特性を深く理解し、その上で最適なソリューションを提供できることだと考えています。

 

3.3 変化への適応と新たな挑戦

当事務所を経営する中で、常に変化への適応と新たな挑戦の重要性を感じています。
近年では、AI(人工知能)に関する法的な問題が注目を集めており、当事務所も積極的に関連セミナーを開催するなど5、この分野の知識と専門性を高めています。

また、私自身も様々な企業の監査役や取締役を務める中で、当事務所の経営に活かせる貴重な経験と知識を得ています。常に時代の変化に対応し、新たな価値を提供し続けるためには、現状に満足することなく、常に学び、挑戦し続ける姿勢が不可欠だと考えています。

 

 

4. タイラカ法律書ギャラリーへの想い

4.1 設立の経緯とコンセプト

タイラカ法律書ギャラリーは、長年にわたり収集してきた貴重な法律書を、事務所のメンバーだけでなく、広く一般の方々にも見ていただきたいという思いから開設しました。ギャラリーでは、100年以上前の帝国六法全書をはじめ、日本の法制史を物語る貴重な資料を数多く展示しています。

ギャラリースペースは、当事務所の蔵書を中心に、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりとご覧いただけるように設計しました。2018年7月にオープンして以来、多くの方々にご来場いただいています。
原則として無料で公開していますが、事前にご予約をお願いしています。緊急事態宣言などの際には、一時的に休業することもありましたが、現在は再開しており、年末年始の営業スケジュールは毎年お知らせしています。

 

4.2 コレクションへのこだわりと想い

タイラカ法律書ギャラリーのコレクションは、単に古い本を集めるだけでなく、日本の法制の歴史を深く理解するための貴重な資料として大切にしています。
六法全書だけでなく、様々な分野の法律書を収集しており、今後も積極的にコレクションを増やしていきたいと考えています。

開設以降も、神保町へ足を運び新たなコレクションを探し続けています。当事務所のスタッフにとっても、これらの貴重な法律書に触れることは、日々の業務におけるインスピレーションの源となっています。

タイラカ法律書ギャラリーが、法律を学ぶ学生の皆さんや研究者の方々、そして法律に関心のある全ての方々にとって有益な場となることを願っています。

 

 

5. オリジナルグッズに込めた遊び心

5.1 グッズの種類とデザイン

タイラカ総合法律事務所では、事務所名やロゴが入ったオリジナルグッズを制作・販売しています。デザイン・サイズが豊富なパーカーやトレーナー、マスキングテープ、パズル、クッション、そして法律に関する豆知識が記載されたカレンダーなどがあります。

これらのグッズはAmazonで購入いただけるほか、事前にご連絡いただければ事務所にお越しいただいて直接購入することも可能です。

 

5.2 グッズに込められた思いやコンセプト

「法律事務所」というと、どうしても堅いイメージを持たれがちですが、当事務所では、オリジナルグッズを制作したり、グッズを含め当事務所にゆかりのあるアイテムをオフィスにディスプレイしたりと、親しみやすい法律事務所を目指しています。

グッズには、事務所名やロゴをさりげなくあしらいつつ、日常使いできるようなシンプルなものを選んでいます。法律に関する豆知識を入れたカレンダーを制作したのも、法律をもっと身近に感じてほしいという思いからです。
オリジナルグッズを通じて、当事務所のことを少しでも覚えていただき、より身近に感じていただければ幸いです。

 

 

6. 社会への貢献:講演・セミナー活動

6.1 慶應義塾大学での講義

社会貢献活動の一環として、3年にわたり慶應義塾大学総合政策学部で非常勤講師を務めさせていただきました。2015年度と2016年度には企業法(会社法)の講義を、2017年度には企業法演習の講義を担当しました。

講義では、会社法の基礎的な知識はもちろんのこと、当事務所で実際に取り扱った事例なども交えながら、学生の皆さんに企業法務の面白さや奥深さを伝えてきました。
このように、当事務所での経験を還元することで、次世代の法曹界を担う人材の育成に少しでも貢献できればと考えています。

 

6.2 その他の講演・セミナー活動

慶應義塾大学での講義以外にも、当事務所の専門分野であるITやエンターテインメントに関するセミナーを積極的に開催しています。2023年には、ピラミッドフィルムクアドラ社との共催で、
AIによる炎上のリスク回避と将来展望
AIを利用したコンテンツ制作の可能性や法的リスク
といったテーマでセミナーを開催しました。

これらのセミナーでは、AIと著作権の関係や、AI開発におけるガイドラインの策定動向など、最新のトピックを取り上げ、当事務所の専門知識を社会に還元するよう努めています。こうした活動を通じて、当事務所の専門分野に関する社会全体の知識向上に貢献していきたいと考えています。

 

 

7. これからのタイラカ総合法律事務所

7.1 事務所の成長と展望

当事務所は、設立以来、着実に成長を続けてきました。
今後も、専門性をさらに高め、より多くのクライアントの皆様に質の高いリーガルサービスを提供できるよう、タイラカ総合法律事務所一同、邁進してまいります。

現在、タイラカ総合法律事務所では、当事務所の理念に共感し、共に成長していける新たな仲間を募集しています。

近年では、大手企業や行政機関との連携も増えており、当事務所の活動領域はますます広がっています。我々の強みであるITやエンターテインメント分野における最新の動向を常に把握し、当事務所ならではの自由な発想で、クライアントの皆様のニーズに先回りしたリーガルサポートを提供していきたいと考えています。自らの成長を通じて、社会に貢献できる法律事務所を目指します。

 

7.2 社会への貢献と新たな価値の創造

理念である「平らかな道にしていく」という言葉には、当事務所のリーガルサービスを通じて、クライアントの皆様が安心して社会生活を送れるようサポートしたいという強い思いが込められています。

当事務所の専門分野であるAIに関するリーガルサービスや、ユニークな取り組みである法律書ギャラリーの運営などを通じて、社会に新たな価値を提供し、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えています。

 

 

8. 私の歩み:学歴、職歴、資格、受賞歴

8.1 学歴と資格取得

私の学歴について、慶應義塾大学環境情報学部を卒業し、在学中には国家公務員Ⅰ種試験に合格しました。その後、法科大学院を修了し、在学中に公認会計士試験にも合格しました。2007年には司法試験に合格し、2009年12月には公認会計士登録、そして弁護士登録も同月におこないました。

8.2 職歴

大学卒業後は株式会社ピラミッドフィルムに勤務し、公認会計士試験合格後は、監査法人トーマツ(現:有限責任監査法人トーマツ)に入所しました。その後、2009年12月に平山剛公認会計士事務所を設立し、伊藤見富法律事務所(現:モリソン・フォースター法律事務所)、外資系法律事務所やエンターテインメント法に強い法律事務所、証券会社などを経て、2015年3月にタイラカ総合法律事務所を設立しました。また、2015年4月からは、慶應義塾大学で非常勤講師も務めました。

8.3 受賞歴

2013年には、株式会社オモロキのWebサービス「ボケて」が文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門で「審査委員会推薦作品」を受賞しました。

 

 

9. 役員就任歴:企業経営への多角的な視点

9.1 現在および過去の役員としての役割

これまでに、ソーシャルワイヤー株式会社、フリー株式会社、Rapyuta Robotics株式会社、株式会社バルクホールディングス、株式会社ブレイブソフト、株式会社オモロキ、一般社団法人FUKKO DESIGNなど、様々な企業で監査役や取締役を歴任してまいりました。

9.2 役員としての経験から得た学び

これらの役員としての経験を通じて、企業経営における戦略的意思決定、財務管理、リスク管理など、法律事務所だけでは得られない貴重な視点を養うことができました。
特に、社外監査役としての経験は、独立した立場から企業のガバナンスに関わることの重要性を深く理解する機会となりました。株式会社オモロキのようなWebメディア企業との関わりは、当事務所の専門分野であるIT・エンターテインメント法務において、より実践的な知見をもたらしてくれています。

 

 

10. メディア出演とインタビュー:社会との対話

10.1 経済誌、業界誌へのコメント掲載

2015年11月には、アトーニーズマガジンで当事務所のIT・エンターテインメント分野における独自性について取り上げていただきました。2013年7月には、日経MJで株式会社オモロキの「ボケて」についてコメントしました。
その他、2021年12月には東洋経済オンラインで金融事件について、2022年12月には日刊SPA!で不動産・住宅問題について、そして2024年6月にはThe Australian Financial Reviewでコメントが掲載されました。

10.2 インタビュー記事など

アトーニーズマガジンでは、事務所設立の経緯や専門分野、そして私の当事務所に対する思いなどを詳しく語ったインタビュー記事が掲載されました。

 

 

11. 趣味と人間像:仕事への情熱の源

11.1 多彩な興味と活動

私の趣味は、神社仏閣や遺跡巡りです。日本の歴史や文化に触れることで、日々の業務おける新たな視点やインスピレーションを得ています。また、株式会社オモロキのWebサービス「ボケて」で文化庁メディア芸術祭の賞を受賞した経験も、当事務所のIT・エンターテインメント分野への注力に繋がっています。

11.2 仕事への情熱と信念

事務所の理念である「平らかな道にしていく」という言葉に象徴されるように、私は、当事務所を通じて、クライアントの皆様が安心して社会生活を送れるようサポートすることに情熱を燃やしています。
多様な経験を活かし、当事務所ならではのリーガルサービスを提供することで、社会に貢献していきたいと考えています。

 

   

結論

タイラカ総合法律事務所は、従来の法律事務所のイメージにとらわれず、依頼者の皆様にとって身近で、かつ専門性の高いリーガルサービスを提供することを目指して設立されました。IT、エンターテインメント、ベンチャー支援という専門分野を中心に、当事務所ならではの視点と発想で、クライアントの皆様のビジネスをサポートしてまいります。


忘れられない課徴金納付命令取消等請求事件をはじめ、様々な法律業務を通じて得た経験と学びを活かし、これからも変化を恐れず、新たな挑戦を続け、社会に貢献できる法律事務所を目指してタイラカ総合法律事務所一同、邁進してまいります。

 

  

法律古書を探してみた-六法全書 戦前発行編-

度々ご紹介をしておりますが、
タイラカ総合法律事務所には、法律古書のギャラリーがございます。

タイラカ総合法律事務所HP・ギャラリーについて

 

六本全書クロニクルの記事などでもご紹介しているとおり、
大きな目標は

有斐閣の出版する六法全書をすべて揃えること

ですが、これに限らず様々な六法全書を収集しております。

 

さて、本日は戦前の六法全書について。 

今年の連続テレビ小説は「法曹」が舞台ということで、
携わっている方は特に注目していることかと思います。

日本で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性をモデルにした物語で、
その舞台は昭和6年(1931年)の東京です。

過去の放送回では、主人公の母が六法全書を購入する展開が話題となりました。

この六法全書、
作中では当然のことながら、当時における最新のものですが
現在からすれば、戦前の六法全書ということになります。

弊所ギャラリーにも、戦前に出版された六法全書を所蔵しております。

 

 

その中でも、特に古い出版のものをご紹介したいと思います。

それがこちらの2冊です。

 

左からご紹介すると、

一冊目は、濟美館による明治32年発行「日本六法」。

 

金額は80銭とありますが、当時は1銭=200円程度と仮定すると
決して安くはありません。しっかり重みのある値段だったことが分かります。

また、有斐閣が「帝国六法全書」を刊行したのが 明治34年(1901年)ですから、それよりも前のものとなります。

 

二冊目は、法律書房による昭和35年発行「新形軽便 帝国六法全書」。

 

  

有斐閣「帝国六法全書」刊行により、六法全書の出版が活性化したのではないかと想像するところです。

 

次いで古い年のものが、こちらの3冊。
ずっしりとした「六法全書」感があるのは、こちらでしょうか。

 

いずれも有斐閣による出版のものとなります。
左から順にご紹介いたしますと、

・明治41年発行版(過去の記事でもご紹介しています)
・大正元年発行版
・大正5年発行版

あたりが発行年の古いものになります。 

 

ちなみに、
大正5年発行版は箱付きの状態で弊所にやってまいりました。

 

そのためか、保存状態も良く
小口部分にインデックス代わり?の記載が残っていたり


天部分には金色の加工が残っていたり、
(汚れや虫から本を守るためにされたもので、「天金加工」「金付け」などと呼ぶそうです。(Wikipedia参照))

 

背表紙の金刷りも綺麗に残っています。

 

また、古い六法全般に言えることですが、
現在の六法全書に比べるとかなりコンパクトで、まさに手のひらサイズです。

少し話はそれますが、
そのサイズ感から、まさに「ポケット六法」と言えるのでは…などと考えていましたところ、有斐閣ウェブサイトによれば、これよりさらに小さな、携帯用の「袖珍 六法全書」が存在したとのことでした。

 

◇ ◇ ◇

 

さて、話を連続テレビ小説に戻しましょう。

冒頭でも触れたとおり、
今回のヒロインは、日本で初めて女性弁護士になった、三淵嘉子さんという方がモデルとのことです。
(当時、三淵さんの他に女性の合格者は2名。計3名の女性弁護士が誕生しました)

それではなぜ、「日本で初めて」の「女性弁護士」が誕生したのでしょうか。
その答えは、弁護士法にあります。

 

弁護士の起源は、明治26年(1983年)に「弁護士法」(明治26年3月4日法律第7号)が制定されたことによります。
(それまでは、前身として、フランスに倣い創設された制度に基づく「代言人」という地位が存在していました)

制定当時の条文を見てみると、第1章「辯護士の資格及び職務」において、以下の内容が定められています。

第2条 辯護士タラムト欲スル者ハ左ノ条件ヲ具フルコトヲ要ス
第1 日本臣民ニシテ民法上ノ能力ヲ有スル成年以上ノ男子タルコト
第2 辯護士試験規則ニ依リ試験ニ及第シタルコト

 

「帝国六法全書」(有斐閣、明治41年)より

 (条文全体は、国会国立図書館デジタルコレクション「法令全書 明治26年」でも確認することができます。)

 

今では到底考えられませんが、
性別により職業が制限されるということが、ここまで明確に、しかも法律に記されていたのですね。

その後、婦人参政同盟による「婦人弁護士制度制定ニ関スル件」の帝国議会衆議院請願などを経て、昭和8年(1933年)、弁護士を男性に限定していた条文は次のとおり改正されました。

帝国臣民ニシテ成年者タルコト

 

「新体 六法全書 昭和16年版」(厳松書店)より

(条文全体は、国会国立図書館デジタルコレクション「官報(昭和8年5月1日、第1896号)」でも確認することができます。)

 

文字だけで追うと、遠い歴史の話のようですが
実際、その時代を過ごした六法を手にしてみると、三淵さんをはじめ、今より多くの制限がある中で活躍された方々に敬意を払わずにはいられません。

こうした背景を踏まえると、作品もより味わい深くなるのでは…
ということで、今回は簡単に弁護士法についてお伝えしました。

また機会がありましたら、
六法全書、法律古書に関するストーリーをお届けできればと思います。

 

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参考:
日本弁護士連合会「特集1 男女共同参画と弁護士
東京弁護士会「歴史としくみ

法律古書を探してみた-六法全書 復刊版編-

タイラカ総合法律事務所には、法律古書のギャラリーがございます。

タイラカ総合法律事務所HP・ギャラリーについて

 

様々な時代の、様々な法に関する書籍を収集していますが
そのなかでも、

有斐閣の出版する六法全書をすべて揃えること

を、大きな目標としております。

 

これまでもコツコツと六法全書の収集に励んでまいりましたが、
この度、新たに昭和23年発行のものが加わりました!

こちらの記事でもふれましたが、

1901年に『帝國六法全書』を刊行。昭和になってから刊行を中断したが、1948年に、創業70周年事業として『六法全書』の刊行を再開した。
Wikipediaより)

とありますように、六法全書の始まりは1901年に刊行された「帝國六法全書」のようです。しかし、恐らく戦争で刊行を続けるのが難しくなってしまったのでしょう。
戦後、1948年(昭和23年)復刊の折には、新しい時代に向かっていく日本と共に、六法全書も新たな再スタートを切ったのですね。
今回入手した昭和23年発行版は、今日我々がお世話になっているそんな六法全書の再開時の「初代」といえるものです。

ちなみに、元祖の「帝國六法全書」も弊所ギャラリーに蔵書がございます。
1908(明治41)年に発行されたもので、戦前の貴重な一冊です。

現在の六法よりもかなり小さい、手のひらサイズです。

この頃は「●●年版」といった年次の発行ではなく、訂正や改訂を重ねていたよう。
弊所ギャラリーの蔵書は「訂正増補改版15版」。編纂者の熱意が伺える数字です。

 

少し話がそれましたが、昭和23年の六法全書がこちら。

時代を乗り越えてきた感がありますね。

 

表紙には凹凸をつけた印刷で「六法全書」と書かれており、
(うっすら見えますでしょうか?)

 

中表紙には「創業七十周年記念出版」との文字が。

この一冊が「はじまり」だと思うと、何だか感慨深いものがあります。

 

ちなみに・・・
弊所ブログでは、年毎に制定・改定された法律についてもご紹介しています。

六法全書クロニクルシリーズ

昭和23年版についても追ってアップされる予定ですので、
ぜひそちらをお楽しみに。

 

◇ ◇ ◇

 

創業70周年という節目に、何か他のこともおこなっていそう…
そう思い調べてみたところ、現在の社章が制定されたのもこのタイミングでした。

現在の社章は創業70周年に制定されました。獣の王といわれる獅子と,鳥の王といわれる鷲を題材にしたもので,それは,社会科学から,やがては人文科学と自然科学の両分野における最高の権威ある書物を出版の目標としよう,といった意味が含まれております。さらに,獅子には赤色,鷲には青色を配し,それは動脈と静脈をあらわしており,静かな中にも動的なもの,動的な中にも静かなもの,両者の融合と活動によって生々脈々の発展を意図したものでもあります。
有斐閣HPより)

 

社章に使われている獅子と鷲ですが、なんとゆるキャラ化もされています…!

 

有斐閣が出版している、

判例の読み方 — シッシー&ワッシーと学ぶ
(青木人志 (一橋大学教授)/著)

という書籍の登場キャラなのですが、なんと社員さんの落書きをもとにデザインされたのだそうです。素敵なアイデアですよね!

なんとも言えない表情とポージング、個人的には非常に好きです。
グッズがあったら思わず買ってしまいそう!

このゆるキャラ、当時かなり話題になったそうですが、有斐閣のような歴史ある企業がこうした遊び心をもち、利用者を楽しませてくれるなんて、とても素晴らしいことだと思います。

実際のシッシー&ワッシーの姿をぜひチェックしてみてください。
私も読んでみようと思います!

 

◇ ◇ ◇

 

というわけで、無事に創刊版は入手できたわけですが
実は抜けてしまっている年度がいくつかあります。

以前書店で教えていただいたように、
六法全書は法律古書のなかでも流通が少ないという事情があります。

これまでなかなか蔵書に加えることができなかった年度版もありましたが、それぞれ良いタイミングやご縁でめぐり会っていますので、また次も気長に待とうと思います。